飲食店が赤字になる原因9選!黒字化のための優先順位を解説!

飲食店の赤字

赤字が続くと、「売上が足りないのか」「原価や人件費が高いのか」「何から直せばいいのか」が混ざって見えてしまいがちです。数字を見てもピンと来ない一方で、現場は忙しく、気合や節約で乗り切ろうとして余計に苦しくなることもあります。

しかし赤字は、才能ではなく構造の問題として分解できます。

原因を客数・客単価・回転率・原価・人件費・固定費・資金繰りに切り分ければ、自店の課題がどこにあるかが見え、最短で効く改善から順番に手を付けられます。

そこで本記事では、飲食店が赤字経営になる主な原因9つをまとめました。

このページでわかること

  • 赤字を売上不足・粗利不足・固定費過多・資金繰り悪化の4タイプで判別する方法
  • 客数・客単価・回転率・粗利率・人件費率など、週次で見るべき数字の整理のしかた
  • 客数・客単価・回転率・原価・人件費のどこが原因かを切り分ける診断手順
  • 30日で効かせる改善の優先順位と、やってはいけない対症療法の見分け方
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目次

飲食店の4つの赤字タイプ

飲食店

赤字の改善で一番危ないのは、原因が曖昧なまま「集客」「値下げ」「仕入れ削減」などを同時に動かしてしまうことです。先に赤字の型を決めるだけで、やるべき施策の方向がかなり絞れます。

型は大きく4つで、売上不足、粗利不足、固定費過多、資金繰り悪化です。

売上不足型|客数・客単価・回転率のどれが足りないか

売上不足型は、利益が出ないというより「そもそも売上の土台が足りない」状態です。

ただし売上不足といっても、原因は客数・客単価・回転率のどれか(または複合)なので、まずは分解して当たりを付けます。ここで重要なのは、客数だけに目が行きがちですが、回転率と客単価が同じくらい売上に効く点です。

すぐに当たりを付けるための最低限の見方を、式で整理するとこうなります。

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要素見る指標よくある兆候
客数来店組数、曜日別の客数平日が弱い/特定曜日だけ落ちる
客単価売上÷客数、ドリンク比率料理は出るのに単価が伸びない
回転率席数あたりの回転、滞在時間ピークで詰まる/席が回らない

売上不足型の改善は、数字がどれに引っ張られているかで打ち手が変わります。客数不足なら導線や再来店、単価不足ならセットと追加注文、回転率不足なら提供時間と席運用が主戦場です。まずは週次で「客数・客単価・回転率」のどれが崩れているかを決め打ちし、狙いを一つに絞ると改善が速くなります。

粗利不足型|原価率が高い、値付けが弱い、廃棄が多い

粗利不足型は、売上がそれなりにあっても、お金が残らない典型です。原因は大きく3つで、原価率が高い、値付けが弱い、廃棄が多い。ここで大切なのは「仕入れを安くする」より先に、粗利が抜けている場所を特定することです。原価率を下げようとして品質を落とすと、リピートが減って売上不足型に移行することもあるので、焦って削るのは危険です。

粗利不足型は、トップ10商品だけで回すと現実的です。全メニューを完璧に管理しようとすると続かないので、売上の大半を占める上位商品の粗利を固めるほうが効きます。判断の流れはシンプルで、まずは「高原価なのに安い商品」と「廃棄が出やすい商品」をあぶり出します。

粗利不足になりやすいチェック項目

  • ポーションが人によってブレている(盛り付け量、具材量が一定でない)
  • 歩留まりが悪い(下処理・仕込みで捨てる量が多い、仕込みミスがある)
  • 原価高商品の値付けが弱い(人気だから安くしている、競合に合わせている)
  • 売れない商品が多く、廃棄や在庫が膨らむ(メニュー数過多が原因になりやすい)

粗利不足型は、値上げの恐怖と正面からぶつかりやすいですが、全商品を一律に上げる必要はありません。人気商品や原価高商品の再設計から始め、説明と導線で納得感を作れば、客離れのリスクを下げながら粗利を取り戻せます。

固定費過多型|家賃・水道光熱・リース・広告が重い

固定費過多型は、売上や粗利がそこまで悪くなくても、固定費が重くて利益が消える状態です。見落としやすいのは、家賃だけが固定費ではないこと。

水道光熱、リース、サブスク、販促費、通信費などが積み上がり、気づいたときには毎月の出血が止まらない形になりやすいです。固定費は一度契約すると下げにくいので、まずは棚卸しして「金額が大きい順」に並べ替えるのが第一歩です。

固定費は、削れるものと削ると逆効果のものが混ざっています。例えば広告費は、受け皿(提供速度・品質・体験)が整っていない状態で増やすと、費用だけ増えて離脱が起きやすいです。

固定費を見直す手順

  1. 固定費をすべて書き出し、月額の大きい順に並べる
  2. 「やめても売上が落ちにくいもの」と「やめると売上が落ちるもの」を分ける
  3. 契約で下げられるもの(リース、サブスク、通信など)は条件交渉の余地を確認する
  4. 運用で下げられるもの(光熱、ロス)は現場ルール化して定着させる

固定費過多型は、派手な一発逆転よりも、毎月の出血を止めることが先です。大きい固定費から順に触り、売上に直結しない支出を薄くしていけば、利益の残り方が変わっていきます。

資金繰り悪化型|利益より先に現金が尽きるパターン

資金繰り悪化型は、帳簿上は黒字に見えても、現金が先に尽きるタイプです。飲食店は仕入れや人件費の支払いが早く、売上が入るタイミングとズレると一気に苦しくなります。

さらに借入返済が重い、設備投資の支払いが集中した、予約キャンセルで売上が飛んだ、といった要因が重なると、利益の話をする前に支払いが回らなくなります。

この型の怖さは、現場が忙しくて「売れている感」があると気づきにくい点です。売上が上がっても、原価と人件費が同じように増えれば利益は増えませんし、現金が増えるとも限りません。資金繰りの改善は、売上アップよりも先に「支払いと入金のタイミング」と「固定的な返済負担」を見直すのが効きます。週次で現金残高の見通しを持つだけでも、判断の精度が上がります。

飲食店の赤字の原因別チェックポイント

赤字の型が見えてきたら、次は原因を「客数・客単価・回転率・原価・人件費」に分解して、どこから直すかの優先順位を付けます。

客数が増えない原因|導線・評価・リピート設計の不足

客数が伸びないときは「広告を増やす」より先に、来店までの導線と、来店後に再来店につながる設計が弱くないかを疑います。

広告を打っても、評価が低い、営業時間が合っていない、店前で入りにくい、などの根本が残っていると、お金だけが消えやすいからです。客数は運の要素もありますが、再現性のある部分はきちんと分解できます。

  • 来店前の導線が弱い(検索で見つからない、地図や入口が分かりにくい)
    ↳店名検索で情報が揃うか、写真とメニュー情報が不足していないかの確認
  • 評価の穴がある(味よりも接客・提供速度・清潔感で落ちている)
    ↳悪い口コミに共通点があるか、ピーク帯の体験が崩れていないかの確認
  • リピートの仕組みがない(次回来店の理由が弱い)
    ↳常連化の導線、再来店のきっかけづくりが欠けていないかの確認

客数改善は、派手な集客より「取りこぼしを減らす」ほうが速いことが多いです。例えば営業時間の見直し、店前の入りやすさ、口コミで言われがちな弱点の潰し込み。これらは広告より費用が軽く、改善が体験に直結しやすいです。

客単価が上がらない原因|セット設計と追加注文導線の欠如

客単価が上がらない店は、値上げができないのではなく、注文の流れの中で「追加が発生する設計」になっていないことが多いです。

つまり、単価を上げる勝ち筋は価格改定だけではなく、構成を変えることです。全体値上げは怖いですが、セット化やドリンク比率の改善は、客の心理的ハードルが低く、現場で実行しやすいです。

客単価を上げる導線

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狙い具体例効きやすい店の条件
セット化で実質単価を上げる主力商品+小鉢+ドリンク、ランチセットの設計主力がはっきりしていて、注文が単品に偏っている
追加注文を取りに行く最初の一杯、デザート、〆の一品の声掛け滞在時間があり、追加の余地がある業態
価格ではなく価値説明を強める素材・量目・手間の言語化、写真とメニュー表記の改善品質に自信があるのに選ばれにくい

単価改善は、全メニューを触る必要はありません。トップ10商品を軸に、セットの導線とドリンク・サイドの導線を整えるだけでも効きます。

回転率が上がらない原因|提供時間と席運用がボトルネック

回転率が上がらない原因は、店の広さや立地よりも、提供時間と席の回し方にあることが多いです。ピークで席が空いているのに売上が伸びない、満席なのに回らない、という状態は、だいたいオペの詰まりが起点です。回転率は客数と同じくらい売上に効きますが、改善は現場の設計で起きやすいのが特徴です。

回転率を止めているボトルネックは、文章で整理すると見つけやすいです。注文が入ってから提供までが長い、キッチンが一瞬で詰まる、配膳が遅れる、会計待ちができる、予約の時間がバラけてピークが崩壊する。こうした詰まりがあると、客は追加注文せずに帰り、単価も同時に下がることがあります。

回転率改善は、作業を減らすより「ピークに山を合わせる」発想が効きます。席割りを固定し、予約枠を時間で揃え、提供時間の長い商品をピークから外すなど、ルールで整えると効果が出やすいです。

原価が下がらない原因|ポーション・歩留まり・廃棄の管理不足

原価が下がらない理由は、仕入れ先の価格だけではありません。

現場の運用で漏れるポイントは主に3つで、ポーションのブレ、歩留まりの悪さ、廃棄です。ここが荒れていると、どれだけ仕入れ単価を下げても焼け石に水になります。逆に言えば、ここを整えると品質を落とさずに原価が整いやすいです。

  1. ポーションの標準化:盛り付け量、具材量、タレ量を決め、誰が作っても同じにする
  2. 歩留まり改善:下処理手順を固定し、捨てる量を減らす。仕込みミスを減らす
  3. 廃棄削減:売れ筋に寄せ、作り置きの量を見直し、期限切れを減らす

原価改善でやりがちなのが、安易な仕入れ削減で品質を落とすことです。短期的に数字が良く見えても、満足度が下がればリピートが落ち、結局は売上不足型に移ります。

原価は、まず上位商品の運用を固め、ブレと廃棄を潰す。ここまでやってから仕入れ先の交渉やメニュー改定に進むほうが、失敗が少ないです。

人件費が下がらない原因|シフト設計と教育不足による非効率

人件費が重い店は、単に人が多いのではなく、ピークの山とシフトが合っていない、教育不足で作業が遅い、作業分解ができていない、といった非効率が原因になりやすいです。

だから「削る」から入ると、提供が遅くなって回転率が落ち、売上も落ちるという悪循環になりがちです。狙うべきは、人を減らすことではなく、ピークに合わせて配置することと、同じ人数で捌ける量を増やすことです。

論点よくある状態
シフトの山がズレている暇な時間に人が多く、ピークが薄い
教育不足で作業が遅い新人が詰まり、ベテランがフォローで疲弊
作業分解ができていない誰でも全部やるので、ピークで混乱する

さらに差がつく見方は、人時生産性です。売上÷総労働時間を出すと、集客が弱いのか、オペが弱いのかが見えやすくなります。

数字が低いのに忙しいなら、動線や提供の詰まりが原因になっていることが多いです。人件費は感情が絡みやすい領域ですが、週次で山を合わせ、教育と役割固定で詰まりを減らすと、スタッフに無理をさせずに改善しやすくなります。

まとめ|数字で当たりを付けて、最短で効く改善から着手する

飲食店の赤字は「売上が足りない」の一言では片づきません。売上不足なのか、粗利不足なのか、固定費が重いのか、資金繰りが先に苦しくなっているのか。

まず赤字の型を切り分けるだけで、やるべき改善の方向がかなり絞れます。売上があるのにお金が残らない店は、原価・人件費・固定費が売上と一緒に増えているだけ、ということも少なくありません。数字で構造を分解できれば、焦りや迷いが減り、打ち手が現実的になります。

改善の優先順位は、最短で数字が動くところからが安全です。例えば、原価は仕入れ単価を削るより、ポーションの標準化や廃棄の削減のほうが品質を落とさず効きやすいです。

人件費も、闇雲に削ると提供が遅れて回転率が落ち、売上が下がる悪循環になりやすいので、ピークの山に合わせたシフト設計や、役割固定・教育での効率化から入るほうが結果が出やすいです。

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この記事を書いた人

出水祐介のアバター 出水祐介 公認会計士/税理士

公認会計士/税理士。ファーストキャリアをデロイトトーマツでスタートし、日本を代表する大手上場企業の監査に携わる。その後、ベンチャー企業でCFO(最高財務責任者)、コンサルティング会社でM&A事業責任者を経て、会計事務所を設立。現在は、個人事業主やベンチャー企業、中小法人など、幅広いクライアントに対して、会計税務やM&Aの専門的なアドバイスを提供しています。

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