居酒屋のM&A成功事例5選!価格相場や注意点も解説!

居酒屋 M&A成功事例

「自分の店、売れるのかな?」「似た店はどんな条件で譲渡されたんだろう?」――そんな疑問を持つ居酒屋オーナーが増えています。

M&Aといえば大企業の話のように感じられますが、最近では個人経営や数店舗展開の居酒屋でも、実際に多くの売却・譲渡事例が生まれています。

この記事では、実際の居酒屋のM&A成功事例をまとめました。

このページでわかること

  • 黒字・赤字・地方など、居酒屋M&Aの典型的な事例とストーリー
  • 成功事例・失敗事例に共通する準備や交渉上のポイント
  • 自分の店と似たケースがあるかどうかを確認する方法
  • 事例をもとに、今後どんな行動を取るべきかを整理する方法
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目次

居酒屋のM&A成功事例5選

公式的な発表がされているM&A事例を紹介いたします。弊社で取り扱いを行いました具体的な案件概要について気になる方は下記よりお問い合わせください(案件によっては会社名の公開はできません)

鳥貴族ホールディングス(現エターナルホスピタリティグループ)によるダイキチシステムの買収

2022年、焼鳥チェーン大手の鳥貴族が「やきとり大吉」を展開するダイキチシステムを完全子会社化しました 。

狙い:鳥貴族は繁華街の大型店が中心ですが、大吉は住宅街や地方に強い小規模なフランチャイズ展開を得意としています。この買収により、これまで出店が難しかったエリアへ一気にネットワークを広げることが可能になりました 。

☆ここがポイント

買収額は非公表ですが、全国500店舗以上のネットワークを引き継ぐことで、グループ全体の店舗数は1,100店を超える巨大チェーンへと成長しました。

コロワイドによる大戸屋ホールディングスの敵対的買収

2020年に実施された、外食業界では珍しい敵対的TOB(株式公開買付け)の事例です。

狙い:居酒屋「甘太郎」などを運営するコロワイドが、定食チェーンの大戸屋を傘下に収めました。夜の需要が中心の居酒屋業態に対し、昼の需要に強い定食業態を加えることで、経営リスクを分散させる狙いがあります。

☆ここがポイント

取得価額はこれまでの保有分を含め約100億円規模に達しました。コロワイドが持つ強力な食材仕入れ網を大戸屋にも適用することで、収益性の改善を図っています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるSFPホールディングスの買収

磯丸水産などを展開するSFPホールディングスを、マルチブランド戦略を得意とするクリエイト・レストランツが買収した事例です。

狙い:居酒屋領域のポートフォリオを強化し、繁華街の好立地物件を一括して確保することが目的です。

☆ここがポイント

買収額は約65億円でした。クリエイト社はその後も、人気つけ麺店「狼煙」を約2億円(推定)で買収するなど、専門性の高いブランドを次々とグループに加えています。

海帆によるSSSの買収

名古屋を中心に居酒屋を展開する海帆が、関東で19店舗を運営するSSSの株式を取得し子会社化しました。

狙い:ドミナント戦略によるエリア拡大と、管理部門の統合によるコスト削減です。

☆ここがポイント

アドバイザリー費用を含めた取得価格は約6億3,000万円でした。規模を拡大することで、食材の購買力を高める狙いもあります。

チムニーによるシーズライフの買収

「はなの舞」などを展開するチムニーが、居酒屋を運営するシーズライフを継承した事例です。 狙い:既存ブランドの強化と、即戦力となる現場人材の確保が主な目的です 。

☆ここがポイント

株式の取得価額は約1億5,700万円とされています。深刻な人手不足が続く中、教育されたスタッフごと事業を引き継げるM&Aは、買い手にとって大きなメリットとなります。

居酒屋M&Aの売却相場

居酒屋の価値は、一般的に「EV/EBITDA倍率」という指標で計算されます。これは、利益の何年分で元が取れるかを示す目安です 。

  1. 単店から小規模店舗の場合相場
    • 利益の2.0倍から4.5倍程度 。オーナーが現場を離れても運営できる仕組みがあるか、調理がマニュアル化されているかが評価を左右します。
  2. 10店舗以上の多店舗チェーンの場合相場
    • 利益の4.0倍から7.0倍程度 。本部機能が整っており、教育制度やKPI管理がシステム化されていると、成長性が評価されて倍率が高くなる傾向があります。
  3. 評価を上げるポイント
    • 立地と店舗ネットワーク
      • 好立地の物件はそれだけで価値があります 。
    • スタッフの定着率
      • 即戦力のスタッフが残っていることは、採用難の現在、非常に高く評価されます。 データの可視化:客数や原価率が正確にデータ化されていると、買い手は安心して検討できます。

事例から読み解く成功要因と失敗要因

居酒屋M&Aは「売れた=成功」とは限りません。買い手との相性や準備の有無、譲渡後のトラブル回避策など、細かな点が結果を大きく左右します。

酒場某事例に学ぶ準備と相手選びの成功要因

この店舗は、オーナーが40代と比較的若く、店舗もまだ成長フェーズにありながら、複数社と比較検討を行ったうえでM&Aに踏み切った事例です。

  • 準備期間を十分に確保し、帳簿や契約関係を整理済み
  • 匿名で3社に査定を依頼し、価格と条件の両面で比較
  • 買い手は外食系ベンチャー。スピード感がありながらも雇用・ブランド継続にも配慮
  • 譲渡価格は営業利益900万円×2.7倍=約2400万円+造作代300万円

このケースでは、オーナーが「高く売る」よりも「従業員やブランドを守る」ことを優先し、交渉を通じて信頼関係を構築したことが、円滑な譲渡と従業員の定着につながりました。

大阪の居酒屋の後悔事例に見る典型的な落とし穴

この事例は、売り急ぎと情報不足が招いた“後悔のM&A”の典型です。オーナーは60代で体調不安を抱えており、知人の紹介で1社の仲介会社だけに相談したところ、条件交渉が不利に進みました。

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要因内容
売り急ぎ半年以内に辞めたい気持ちが先行し、準備が不十分だった
査定の比較不足1社だけに相談し、他の可能性を知らずに進行
契約内容の不透明さ成功報酬の定義や税引後の手取り額を確認していなかった
従業員への配慮不足急な閉店・譲渡通告でスタッフが不満を抱え退職

結果的に、営業利益500万円程度の店を1200万円で譲渡したものの、譲渡後のトラブル対応や従業員離職、最終的な手取りの少なさから「もっと準備すれば良かった」とオーナーが語っています。

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この記事を書いた人

出水祐介のアバター 出水祐介 公認会計士/税理士

公認会計士/税理士。ファーストキャリアをデロイトトーマツでスタートし、日本を代表する大手上場企業の監査に携わる。その後、ベンチャー企業でCFO(最高財務責任者)、コンサルティング会社でM&A事業責任者を経て、会計事務所を設立。現在は、個人事業主やベンチャー企業、中小法人など、幅広いクライアントに対して、会計税務やM&Aの専門的なアドバイスを提供しています。

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