家賃滞納で契約解除される?強制退去までの流れも紹介!

家賃滞納 契約解除

家賃を滞納してしまうと、「いつ契約解除されるのか」「通知が来たら終わりなのか」「もう追い出されるのか」と不安が一気に膨らみます。

しかし、現実は多くの場合いきなり強制退去にはならず、督促や催告、解除通知、裁判、強制執行という段階があります。大事なのは、滞納月数の暗記よりも、連絡の速さと入金の事実、そして期限を守った対応です。放置や連絡遮断は、解除が認められやすい状況を自分で作ってしまうことになります。

そこで本記事では、借主の立場から、解除リスクが高まる条件、最悪の場合に強制退去までどう進むのかを、まとめました。

このページでわかること

  • 家賃滞納で契約解除が現実になる条件と、月数だけで決まらない理由
  • 督促・催告・解除通知の違いと、書面が届いたときの優先順位
  • 解除を避けるために効果が出やすい行動(連絡・入金・分割案・書面化)
  • 解除後に任意退去交渉から明渡し訴訟、強制執行まで進む全体の流れ
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目次

契約解除が現実になる条件とは?

家賃滞納でいちばん誤解されやすいのは、「何か月だからアウト」と月数だけで決まると思い込む点です。

実際は、滞納の期間や金額に加えて、連絡の有無、支払の意思が見えるか、これまでの経緯などをまとめて見て、「賃貸借を続ける前提が崩れたか」という枠組みで判断されやすいです。

借主としては、解除されるかどうかを運任せにせず、解除が認められやすい状況を自分で作らない動き方を先に押さえることが大切です。

滞納何か月が目安か|一律ではなく状況で変わる

結論から言うと、滞納月数だけで解除の可否は決まりません。実務では「おおむね数か月」という言い方が出ることがありますが、それは目安に過ぎず、同じ2〜3か月でも、解除が通りやすいケースと、まだ争いが出やすいケースに分かれます。

分かれ目になりやすいのは、滞納が単発の事故なのか、繰り返しなのか、連絡が取れるのか、入金の事実があるのか、といった事情です。

たとえば、連絡が取れず放置が続き、滞納が積み上がっている場合は、貸主側が「これ以上は継続が難しい」と判断しやすくなります。逆に、すぐ連絡して遅れた理由と支払予定を伝え、一部でも入金していると、解除を急がず回収を優先する動きになりやすいです。

つまり、月数よりも、対応の速さと入金の事実が、結果を左右しやすいポイントです。

解除が近づくサイン|督促・催告・解除通知の違い

書面が届いたときは、タイトルの印象より「期限」「未払総額」「解除の意思表示が書かれているか」を見分けることが重要です。違いを整理すると、次のようになります。

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書面の呼び方主な意味書かれやすい内容
督促(支払いのお願い)任意の支払いを促す連絡滞納月・金額、振込先、支払期限(短めなことも)
催告(期限を切った支払い請求)期限までに払わない場合の次の対応を見据えた請求相当期間の期限、未払総額、支払がない場合の扱いの記載
解除予告(払わなければ解除)条件がそろうと解除へ進むことを明確化した通知期限、解除に移る条件、明渡しの話題が出始めることもある
解除通知(契約をやめる意思表示)貸主が解除する意思を外に出した段階解除日、未払金、明渡し要求、今後の手続の記載

同じ「内容証明で届いた」でも、中身が督促なのか解除通知なのかで意味が変わります。封筒や形式に圧倒されず、まず期限と書かれている言葉を落ち着いて読み、期限前に連絡と入金を作れるかが分かれ道になります。

絶対に避けたい行動|無視・連絡遮断・口約束だけ

解除リスクを一気に高めやすいのは、金額よりも行動のほうです。避けたいパターンをまとめると、次のとおりです。

  • 督促や電話を無視する
    ↳支払意思が見えず、解除に進みやすい状況づくり
  • 連絡先を変えて連絡を断つ
    ↳交渉の余地が消え、書面と手続が前に進みやすい
  • 「来週払う」と言うだけで入金しない
    ↳実行が伴わない約束は信用を落としやすい
  • 分割を提案せず、期限だけ過ぎる
    ↳貸主側が回収計画を立てられず、強い対応に寄りやすい
  • やり取りの記録を残さない
    ↳言った言わないになり、後で不利になりやすい

逆に言えば、連絡を早く入れ、少額でも入金し、分割案を日付つきで出し、やり取りを残すだけで、状況は変わり得ます。やってはいけない行動を避けることが、解除回避のために重要です。

契約解除を避けるために借主が今すぐやること

利益率

解除を回避しやすい動きは、特別な交渉術ではありません。

ポイントは、貸主側が「この人は払うつもりがある」と判断できる材料を、期限前にそろえることです。材料は大きく3つで、連絡(意思表示)、入金(事実)、書面化(再発防止の枠)です。

最優先は連絡|支払意思と時期を伝え、記録を残す

最初にやるべきことは、管理会社や貸主へ連絡して、支払意思と現実的な支払時期を伝えることです。勇気が要りますが、連絡を先延ばしにするほど解除リスクは上がりやすいです。大事なのは、長文の言い訳ではなく、支払の見通しを具体化して共有することです。

伝える項目
滞納の事実認識「◯月分が未払いであることを確認しました」
支払意思「支払います。連絡が遅れて申し訳ありません」
支払可能日「◯日までに△円、残りは翌月◯日」
当面の連絡手段「メールでのやり取りを希望します」

連絡で最悪なのは「また連絡します」で終わることです。日付と金額が入った予定を一度置くと、交渉は前に進みやすくなります。

一部入金と分割案|合意を短文でも書面化する

まとまった金額が用意できなくても、一部入金は効きやすい行動です。なぜなら、支払の意思を言葉ではなく事実で示せるからです。入金できる額が小さくても、入金ゼロより状況が動きやすいことがあります。

分割案は、完璧な書類を作るより、最低限の項目を押さえた短文の合意を作るほうが現実的です。分割の合意に入れたい項目を整理すると、次のとおりです。

  • 支払日(毎月何日)
    ↳まず日付を固定し、遅れにくい枠を作る
  • 支払金額(各回の金額)
    ↳家賃+滞納分の内訳が分かるようにする
  • 支払方法(振込先、名義)
    ↳入金確認のズレを減らす
  • 遅れた場合の扱い
    ↳再度の催告や解除に進む条件をあらかじめ明確化する

合意の形は、メールやメッセージでも構いません。大切なのは、日付と金額が残ることです。

入金したら、振込控えやスクリーンショットを保存し、相手にも共有しておくと、言った言わないになりにくいです。

保証会社がいる場合|立替後に起きることと交渉の注意点

保証会社がいると、「立替してくれるなら大丈夫」と思ってしまいがちですが、借主の負担が消えるわけではありません。保証会社が家賃を立替した後、借主に対して立替分を請求し、遅れが続けば督促や法的手続に進むことがあります。

さらに、貸主側から見ると、保証会社が払っているかどうかと、借主が契約を守っているかどうかは別問題として扱われることがあり、滞納が続けば解除の話が出ることもあります。

保証会社がいても借主とトラブルになったケース(貸主向け)

解除後から強制退去までの現実的な流れ

家賃滞納で怖いのは、「ある日いきなり追い出される」ことではなく、放置が続いて手続きが前に進み、止めにくくなることです。

多くの場合、解除が言い渡されても、その場で荷物を出されるわけではありません。任意での退去や支払いの話し合いが入り、それでもまとまらなければ裁判を経て、最終的に強制執行へ進みます。

借主が取れる選択は段階ごとに変わりますが、共通するのは、期限を見落とさず、連絡を切らず、入金の事実と合意の記録を積み上げることです。。

任意退去交渉→明渡し訴訟|裁判になる前にできること

解除後にまず起きやすいのは、任意での退去や支払い方法をめぐる話し合いです。ここでまとまれば、裁判まで行かずに収束する可能性があります。

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段階借主ができる現実的な対応
解除通知後〜交渉退去可否の結論を出し、退去日か支払計画を日付入りで提案する
任意退去の合意合意書に退去日、鍵の返還、未払金の扱い、精算方法を入れてもらう
訴訟予告〜提起書面の期限を確認し、入金と再提案を期限前に出す
明渡し訴訟中裁判所からの書類に必ず対応し、和解の余地(退去日・分割)を探る

裁判になる前にできることは、退去日を含めた現実的な提案を出し、少額でも入金を作り、合意を記録として残すことです。

これだけで、相手の動きが「手続き優先」から「回収と収束優先」に戻る場面があります。

判決→強制執行|強制退去の進み方と回避の余地

判決が出ると、明渡しが法的に命じられ、次は強制執行の段階に入ります。

ただし、判決が出た瞬間に家から出されるわけではなく、執行に向けた手続きが進みます。進み方と、借主側が最後に取り得る動きを整理すると、次のとおりです。

  • 判決や和解で明渡し義務が確定する
    ↳この時点で、退去日を決めて動くほうが負担を抑えやすい
  • 強制執行の手続きが進む
    ↳執行の通知や日程に関する案内が届くことがあるため、受け取りを避けない
  • 退去の最終調整ができる場面が残ることがある
    ↳退去日と未払金の扱いを詰め直し、現実的に片づけられる日程を提示する
  • 費用負担が増えやすい
    ↳執行に近づくほど、費用や精算の話が重くなりやすい
  • 回避の余地を残すカギは連絡と入金の継続
    ↳連絡遮断は手続きの加速につながりやすく、交渉の席が消えやすい

強制退去が視野に入っても、投げやりになるほど状況は悪くなりやすいです。

できる範囲で連絡をつなぎ、退去日を先に固め、支払いについては無理のない計画を日付つきで出すことが、最後に損失を広げないための現実的な動きになります。

まとめ

家賃滞納で契約解除されるかは、滞納月数だけで一律に決まりません。督促・催告・解除通知など書面の種類と期限を見極め、期限前に連絡して支払意思と入金の事実を作ることが重要です。

まとまった額が難しくても一部入金と分割案を出し、日付と金額を短文でも書面化すると交渉が進みやすくなります。保証会社が立替しても借主の負担は消えないため、請求先と計画を整理し連絡を切らないことが大切です。

最悪でも任意退去交渉→明渡し訴訟→判決→強制執行と段階があるので、放置せず早期対応で解除リスクを下げましょう。

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この記事を書いた人

出水祐介のアバター 出水祐介 公認会計士/税理士

公認会計士/税理士。ファーストキャリアをデロイトトーマツでスタートし、日本を代表する大手上場企業の監査に携わる。その後、ベンチャー企業でCFO(最高財務責任者)、コンサルティング会社でM&A事業責任者を経て、会計事務所を設立。現在は、個人事業主やベンチャー企業、中小法人など、幅広いクライアントに対して、会計税務やM&Aの専門的なアドバイスを提供しています。

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