2025年2月24日、イトーヨーカドーは構造改革で計画していた一連の店舗閉鎖を完了しました。2023年3月に発表された「33店舗閉店計画」に加え、東京都・上板橋店が立ち退きにより閉店したため、約2年間で合計34店舗が閉店したことになります。
閉店完了は当初の計画(2026年2月末)より約1年前倒しとなりました。
そこで本記事では、そんな閉店ラッシュの背景や、今後の動向を解説します。
【一覧】過去に閉店したイトーヨーカドー店舗
イトーヨーカドーは、2023年3月に発表した構造改革の中期経営計画に基づき、全国各地の不採算店舗を中心に閉店を進めてきました。この章では、2023年以降に閉店した全34店舗を年度別にまとめています。
閉店の内訳は、北海道6店舗、東北9店舗、関東14店舗、甲信越3店舗、中部(愛知)1店舗、および東京都の追加閉店1店舗(上板橋店)です。
2023年に閉店した店舗
| 店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
|---|---|---|---|
| 竹ノ塚店 | 東京都足立区 | 2023年3月5日 | 跡地にヤマダデンキ「Tecc LIFE SELECT 足立竹の塚店」がオープン |
2024年に閉店した店舗
| 店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
|---|---|---|---|
| アリオ仙台泉店 | 宮城県仙台市泉区 | 2024年1月31日 | 東北エリア撤退の先駆け |
| 五所川原店 | 青森県五所川原市 | 2024年3月31日 | 青森県からの撤退開始 |
| 拝島店 | 東京都昭島市 | 2024年4月21日 | 跡地は徳洲会が取得 |
| 福島店 | 福島県福島市 | 2024年5月6日 | 福島県からの撤退 |
| 郡山店 | 福島県郡山市 | 2024年5月26日 | 福島県から完全撤退 |
| 帯広店 | 北海道帯広市 | 2024年6月30日 | 跡地にダイイチがオープン予定 |
| 屯田店 | 北海道札幌市北区 | 2024年7月28日 | 跡地にロピアが出店 |
| 青森店 | 青森県青森市 | 2024年7月28日 | 跡地にロピアが出店 |
| 食品館川越店 | 埼玉県川越市 | 2024年7月29日 | 食品館業態のため比較的小規模 |
| 綱島店 | 神奈川県横浜市港北区 | 2024年8月18日 | 跡地に再開発計画あり |
| 北見店 | 北海道北見市 | 2024年8月18日 | 北海道内閉店の一環 |
| 食品館新三郷店 | 埼玉県三郷市 | 2024年8月25日 | 食品館業態 |
| 八戸沼館店 | 青森県八戸市 | 2024年8月31日 | 青森県から完全撤退 |
| 福住店 | 北海道札幌市豊平区 | 2024年9月23日 | 北海道内閉店の一環 |
| 津田沼店 | 千葉県習志野市 | 2024年9月29日 | 千葉県内の閉店 |
| 上板橋店 | 東京都板橋区 | 2024年9月29日 | 立ち退きによる閉店(計画外の追加1店舗) |
| 弘前店 | 青森県弘前市 | 2024年9月29日 | 跡地にロピアが出店 |
| 柏店 | 千葉県柏市 | 2024年10月27日 | 千葉県内の閉店 |
| 春日部店 | 埼玉県春日部市 | 2024年11月 | 埼玉県内の閉店 |
2025年に閉店した店舗(閉店ラッシュ最終フェーズ)

| 店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
|---|---|---|---|
| 茅ヶ崎店 | 神奈川県茅ヶ崎市 | 2025年1月5日 | 45年の歴史に幕。跡地は「BLiX茅ヶ崎」として2025年11月リニューアル |
| 琴似店 | 北海道札幌市西区 | 2025年1月5日 | 跡地にロピアが出店予定 |
| 石巻あけぼの店 | 宮城県石巻市 | 2025年1月 | 東北エリアからの撤退方針に基づく |
| 南松本店 | 長野県松本市 | 2025年1月13日 | 信越エリア撤退の一環 |
| 藤沢店 | 神奈川県藤沢市 | 2025年1月13日 | 長年の地域シンボルが閉店 |
| 尾張旭店 | 愛知県尾張旭市 | 2025年1月19日 | 中部エリア唯一の閉店対象 |
| アリオ上田店 | 長野県上田市 | 2025年1月19日 | 跡地にロピアが出店予定。アリオSC自体は営業継続 |
| 花巻店 | 岩手県花巻市 | 2025年1月26日 | 跡地にロピアが出店予定 |
| 川崎港町店 | 神奈川県川崎市川崎区 | 2025年1月26日 | 跡地に26階建てタワーマンション計画あり |
| 丸大新潟店 | 新潟県新潟市中央区 | 2025年2月〜3月 | 跡地に「ロピア マルダイ新潟店」が2025年9月オープン |
| アリオ札幌店 | 北海道札幌市東区 | 2025年3月 | 北海道から完全撤退。跡地にダイイチが事業継承 |
| 姉崎店 | 千葉県市原市 | 2025年2月24日 | 44年間営業。来店客減少と再開発の影響 |
| 西川口店 | 埼玉県川口市 | 2025年2月24日 | 2020年開業と比較的新しいが閉店対象に |
| 竜ヶ崎店 | 茨城県龍ケ崎市 | 2025年2月24日 | 茨城県唯一の店舗。県内から完全撤退 |
2018年〜2021年に閉店した店舗一覧
この時期の閉店は限定的でしたが、土地活用の再検討や老朽化による撤退が見られました。
| 店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
|---|---|---|---|
| 伊勢崎店 | 群馬県伊勢崎市 | 2021年2月21日 | 県内唯一の店舗であったが撤退 |
| 上福岡東店 | 埼玉県ふじみ野市 | 2019年8月25日 | 土地売却による閉店 |
2010年代以前の主な閉店店舗
GMS業態の転換や都市再開発の影響により、2010年以前にも多くの店舗が閉店しました。代表的な事例をいくつか紹介します。
- 中野店(東京都中野区):2009年閉店。再開発によりセントラルパークが整備
- 青葉台店(神奈川県横浜市):2006年閉店。跡地は東急スクエアに転換
- 静岡店(静岡県静岡市):2007年閉店。商圏縮小と老朽化が主因
- 旭川店(北海道旭川市):2010年閉店。地域需要の減少が背景
今後のイトーヨーカドーについて

今後のイトーヨーカドーについて考察します。
閉店ラッシュは完了、残存店舗は首都圏中心の約92店舗体制へ
2025年2月24日をもって、構造改革で計画されていた34店舗すべての閉店が完了しました。
残存店舗は主に首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)および一部地方の店舗が中心となります。関西(大阪・兵庫)や中部(愛知)など、引き続き黒字で運営できている店舗は閉店せず維持されています。
経営体制の変化:ヨークHDへの分離
2024年10月、セブン&アイ・ホールディングスはグループ再編を発表。コンビニ事業(セブン-イレブン)への集中を図るため、イトーヨーカドーを含むスーパー事業を新会社「ヨーク・ホールディングス(ヨークHD)」に集約しました。
今後のイトーヨーカドーは、ヨークHDのもとで「フード&ドラッグ」型の店舗改装を進め、食品と日用品に特化した効率的な業態への転換を加速させています。
イトーヨーカドーの閉店ラッシュの背景
イトーヨーカドーでは、全国で閉店が相次いでおり、単なる店舗数の減少ではなく、事業モデルの転換や地域戦略の見直しが要因となっています。
年度別閉店件数の推移
イトーヨーカドーは、2023年時点で全国約126店舗を展開していましたが、その中から33店舗の閉鎖を決定しています(東京都・上板橋店の立ち退き閉店を加えると計34店舗)。
2022年度に126店舗あった店舗数は、2025年度には約92店舗体制となりました。最盛期の2016年2月末には182店舗あったため、最盛期比で約半分の規模まで縮小したことになります。
なぜ今、イトーヨーカドーで閉店が相次いだのか
GMS業態として長年親しまれてきたイトーヨーカドーですが、社会・消費者・経営環境の変化が重なり、「従来のやり方」が通用しにくくなっています。その主な理由を以下に整理します。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| アパレル・非食品売上の低迷 | 衣料品・住居関連商品の売上が減少。競合専門店・ネット通販の影響大。セブン&アイはアパレル部門からの撤退を決定。 |
| 食品以外の売場コストの重さ | 売場維持コストや在庫負担が収益を圧迫し、食品に集中する方針へ転換。 |
| 経営効率の改善要求 | 赤字の累積や投資家の圧力により、不採算店舗の整理が加速。 |
| 地域間の商圏格差 | 都市圏では需要が維持される一方、地方では人口減と交通の問題から商圏が縮小。 |
まとめ|イトーヨーカドーの閉店ラッシュ
この記事では、イトーヨーカドーにおける過去・現在の閉店店舗の実態、背景にある経済・戦略的要因、そしてそれに伴う生活環境の変化について詳しく見てきました。
2025年2月24日、約2年にわたる閉店ラッシュが完全に幕を閉じました。2023年から2025年にかけて閉店した34店舗は、北海道・東北・信越エリアを中心に地方・郊外の不採算店舗が対象となり、イトーヨーカドーは事実上「首都圏スーパー」へと軸足を移しました。
今後のイトーヨーカドーは、ヨーク・ホールディングスのもとで食品・日用品に特化した「フード&ドラッグ」型への業態転換を進め、従来の「大型GMS」から「効率的かつ地域特化型」の業態へと進化していくことが見込まれます。





