近年、全国で相次ぐイトーヨーカドーの閉店。長年地域の中心として親しまれてきた店舗が次々と姿を消していく中、多くの人が「うちの近くも閉まるのでは?」という不安を抱えています。
この記事では、そんな閉店ラッシュの背景や、今後の動向、さらには閉店店舗の一覧までを徹底的に解説。単なる「閉店のお知らせ」ではなく、その背後にある戦略や、生活への影響にまで踏み込んでいきます。
このページでわかること
- イトーヨーカドーで進む閉店ラッシュの実態とその背景
- 過去に閉店したイトーヨーカドー店舗の一覧(年別・地域別)
- 2025年以降に閉店が予定されている店舗とその詳細
- 閉店による生活への影響とその対策方法
【一覧】過去に閉店したイトーヨーカドー店舗
イトーヨーカドーは、近年の構造改革の一環として全国各地の不採算店舗を中心に閉店を進めています。この章では、2010年代以降に閉店した主な店舗を年度別にまとめています。
とくに2022年以降は、セブン&アイ・ホールディングスの戦略転換に伴い、全国規模での大規模な再編が進められました。
2022年〜2025年に閉店した店舗一覧

全国の地方都市や郊外立地の店舗が多く閉店の対象となりました。一部は跡地にマンションや複合施設の開発が進められています。
店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
---|---|---|---|
川崎港町店 | 神奈川県川崎市川崎区 | 2025年1月26日 | 跡地に26階建てタワーマンション計画あり |
石巻あけぼの店 | 宮城県石巻市 | 2025年1月5日 | 東北エリアからの撤退方針に基づく |
アリオ札幌 | 北海道札幌市東区 | 2025年1月 | 北海道から完全撤退の一環 |
アリオ上田 | 長野県上田市 | 2025年1月19日 | 売上減少と地域再編が背景 |
南松本店 | 長野県松本市 | 2025年1月13日 | 近隣店舗との統合による閉店 |
花巻店 | 岩手県花巻市 | 2025年1月26日 | 商圏縮小と施設老朽化 |
丸大新潟店 | 新潟県新潟市中央区 | 2025年1月26日 | 老朽化したSC全体の再編により撤退 |
竜ヶ崎店 | 茨城県龍ケ崎市 | 2025年2月24日 | 商業需要低下による戦略的撤退 |
姉崎店 | 千葉県市原市 | 2025年2月24日 | 来店客減少と再開発の影響 |
西川口店 | 埼玉県川口市 | 2025年2月24日 | 駅前再開発に伴う閉店 |
2018年〜2021年に閉店した店舗一覧
この時期の閉店は限定的でしたが、土地活用の再検討や老朽化による撤退が見られました。
店舗名 | 所在地 | 閉店日 | 補足情報 |
---|---|---|---|
伊勢崎店 | 群馬県伊勢崎市 | 2021年2月21日 | 県内唯一の店舗であったが撤退 |
上福岡東店 | 埼玉県ふじみ野市 | 2019年8月25日 | 土地売却による閉店 |
2010年代以前の主な閉店店舗
GMS業態の転換や都市再開発の影響により、2010年以前にも多くの店舗が閉店しました。代表的な事例をいくつか紹介します。
- 中野店(東京都中野区)
↳2009年閉店。再開発によりセントラルパークが整備 - 青葉台店(神奈川県横浜市)
↳2006年閉店。跡地は東急スクエアに転換 - 静岡店(静岡県静岡市)
↳2007年閉店。商圏縮小と老朽化が主因 - 旭川店(北海道旭川市)
↳2010年閉店。地域需要の減少が背景
【最新】今後閉店予定のイトーヨーカドー店舗一覧
この章では、公式発表や報道に基づき、2025年以降に閉店予定とされるイトーヨーカドー店舗をまとめています。閉店時期や跡地の情報が判明しているものには、可能な限り補足も加えています。
2025年以降に発表されている閉店予定

セブン&アイ・ホールディングスが進めるGMS事業の再構築に伴い、複数の店舗で閉店が予定されています。
店舗名 | 所在地 | 閉店予定時期 | 補足情報 |
---|---|---|---|
南松本店 | 長野県松本市 | 2025年1月13日 | 閉店後の後継テナントは未定 |
アリオ上田店 | 長野県上田市 | 2025年1月19日 | 売場再編の可能性あり |
尾張旭店 | 愛知県尾張旭市 | 2025年1月19日 | 閉店のみ発表、跡地計画は未定 |
丸大新潟店 | 新潟県新潟市 | 2025年1月26日 | 建物の老朽化が背景 |
茅ヶ崎店 | 神奈川県茅ヶ崎市 | 2025年1月5日 | 地元再開発の影響 |
藤沢店 | 神奈川県藤沢市 | 2025年1月(予定) | 詳細な日程は未発表 |
川崎港町店 | 神奈川県川崎市 | 2025年1月(予定) | 跡地は高層マンションと商業施設予定 |
西川口店 | 埼玉県川口市 | 2025年2月(予定) | 比較的新しいが閉店対象に |
姉崎店 | 千葉県市原市 | 2025年2月24日 | 再開発の一環で閉店 |
竜ヶ崎店 | 茨城県龍ケ崎市 | 2025年2月24日 | 茨城県唯一の店舗。県内撤退となる |
閉店予定のエリア別まとめ
閉店予定店舗は以下のように地域ごとに広がっています。特に地方・郊外店舗の比率が高く、都市部では比較的店舗が維持されています。
- 信越地方:南松本店・アリオ上田店(長野県)
- 中部地方:尾張旭店(愛知県)、丸大新潟店(新潟県)
- 関東地方:茅ヶ崎・藤沢・川崎港町(神奈川県)、西川口(埼玉県)、姉崎(千葉県)、竜ヶ崎(茨城県)
イトーヨーカドーの閉店ラッシュの実態とその背景

イトーヨーカドーでは、全国で閉店が相次いでおり、単なる店舗数の減少ではなく、事業モデルの転換や地域戦略の見直しが要因となっています。
年度別閉店件数の推移
イトーヨーカドーは、2023年時点で全国約125店舗を展開していましたが、その中から33店舗の閉鎖を決定しています。
また、2025年度までに店舗数を約93店舗へと削減する方針が報じられており、ここ数年の閉店ペースが非常に速まっていることが分かります。
なぜ今、イトーヨーカドーで閉店が相次ぐのか
GMS業態として長年親しまれてきたイトーヨーカドーですが、社会・消費者・経営環境の変化が重なり、「従来のやり方」が通用しにくくなっています。その主な理由を以下に整理します。
要因 | 内容 |
---|---|
アパレル・非食品売上の低迷 | 衣料品・住居関連商品の売上が減少。競合専門店・ネット通販の影響大。セブン&アイはアパレル部門からの撤退を決定。 |
食品以外の売場コストの重さ | 売場維持コストや在庫負担が収益を圧迫し、食品に集中する方針へ転換。 |
経営効率の改善要求 | 赤字の累積や投資家の圧力により、不採算店舗の整理が加速。 |
地域間の商圏格差 | 都市圏では需要が維持される一方、地方では人口減と交通の問題から商圏が縮小。 |
消費者ニーズの変化とネットシフト
消費者側の変化も、閉店を後押ししている大きな要因です。イトーヨーカドーも、ネットスーパーや宅配、食品加工・供給インフラの強化などで対応を図っています。
変化の種類 | 内容 |
---|---|
ネットスーパーの普及 | 自宅配送や受取サービスの利用が増え、リアル店舗の役割が変化。 |
惣菜ニーズの拡大 | 時短志向の高まりにより、惣菜や加工食品に対するニーズが高まっている。 |
買い物頻度・移動距離の変化 | 高齢化や車非保有層の増加により、近場で済ませたい需要が高まっている |
まとめ|イトーヨーカドーの閉店ラッシュ
この記事では、イトーヨーカドーにおける過去・現在・未来の閉店店舗の実態、背景にある経済・戦略的要因、そしてそれに伴う生活環境の変化について詳しく見てきました。
近年の閉店ラッシュは単なる経営悪化の表れではなく、セブン&アイ・ホールディングス全体としての事業再構築の一環です。特に食品を軸にした経営集中、非食品分野からの撤退、ネットスーパー強化など、変化に即した再編が進行中であり、今後のイトーヨーカドーは従来の「大型GMS」から「効率的かつ地域特化型」の業態へと進化していくことが見込まれます。
閉店店舗の影響を受ける地域では、生活利便性の低下が懸念されますが、その一方で跡地の再開発や、他業者による売場の承継、ネットスーパーの拡充といった対策も進められています。